【2024年5月15日】 菱谷良一さんが治安維持法犠牲者に対する国家賠償を求める請願行動に参加


5月15日、治安維持法による犠牲者への国家賠償法制定を求める国会請願が行われました。全国から150人が参加し、午前中の衆議院第1議員会館で行われた全体集会で「生活図画事件」の犠牲者である菱谷良一さん(旭川在住・102歳)がスピーチをしました。

当日午後、参加者がグループに分かれて各政党の議員を訪問し紹介議員の依頼を行いました。請願の内容は、①治安維持法が人道に反する悪法であったと認める。②犠牲者に謝罪し、賠償を行う。③犠牲の実態を調査しその内容を公表すること、です。

集会での菱谷さんのスピーチを紹介します

「皆さんようこそ。私の顔を覚えている方がいらっしゃると思いますが、今年、驚くなかれ102歳となりました。102歳といってもまだ口もまわるし、 まあお喋りは得意中ですから、皆さんの前で少しばかりお喋りしたいと思います。今回、この国会請願の会場で私の発言の機会を与えてくださったことを感謝します。それで、一応、日頃私の考えてる所感の一端をここで短いスピーチで皆様に伝えたいと思います。1941年に治安維持法違反という聞き慣れない法律でもって、私はまだ学生だったのが検挙された事件がありまして、治安維持法違反という罪名だったわけであります。たまたま特高刑事が(取り調べのとき)、立ち去った後で六法全書がテーブルにあったんで、パラパラっとめくって治安維持法違反という項目みたら無期懲役または死刑っていうことでびっくりしちゃって、いや、俺、これうっかりすると死刑になるのかって思った、そういう記憶があります。それで、一応メッセージを伝えますが、1941年「生活図画事件」で検挙された1人として、治安維持法違反の名の元に検挙拘束された事実に対して、その精神的肉体的な損傷に対し、何らかの賠償を実行されんことを要求するものであると。戦後80年を経た今日、何らかの公的誠意を示すのは当然ではないか。 その法の呪縛下にあった被害者の1人として、また国賠同盟の1人として要求の声をあげたい。これが現在の私の心境の一端であります。ご賛同していただくことを祈念いたします。以上。(拍手)」

絵を描いただけで逮捕され1年数ヶ月も刑務所に入れられる、そんな時代を繰り返してはなりません。秘密保護法、共謀罪、経済安保法、次々と治安立法が成立させられるなか、軍事費だけが増大する、私たちは同じ道を進もうとしていることに恐ろしさを感じます。歴史を知り、真実を見極め、声を上げる、語り伝える、私たちにできることから続けてきましょう。

【2023年8月11日】「平和への伝言」第15集発行


今年も、証言にご協力いただいた皆様のおかげで第15集を発行することができました。心より感謝申し上げます。

【戦争体験談集「平和への伝言」第15集 目次】 頒価500円

○侵略を目にして、樺太の夢みる ―終戦の2年後樺太大泊からの引き揚げー 杉尾正明さん

○四六年、3000人で38度線突破 ―1年1か月、朝鮮で疎開生活を送ったー 戸高 淑子さん

○兵士たちは正義の名の下に鬼となった ーそして再び人間に立ちもどった奇蹟ー 芹沢昇雄さん

○「新しい戦前」の危機に抗してー家族の歴史から戦争への危機を想うー 伊東秀子さん

○《撫順の奇蹟》という史実を伝えたいー認罪が人間の心を呼び戻したー 鳴海良司さん

○〔DVD・誌上再現〕絵で語る日本の中国侵掠 ―熊谷清さんが、自らの罪も包み隠さずに

※小学4年の時、ソ連兵に銃を突きつけられて樺太大泊から引き揚げた杉尾正明さん。戦時中、中国新京の高等女学校から師範学校に進学したが、終戦直前に3000人の難民とともに命をかけた38度線越えをした戸高淑子さん。撫順戦犯管理所に収容された日本軍加害者がなぜ極刑にならなかったのか、「撫順の奇蹟」を伝える旭川の鳴海良司さん。埼玉川越の芹沢昇雄さんの証言。弁護士の伊東秀子さんは、撫順を訪ねて初めて父の戦争犯罪と人道的処遇を知った。画家・教師・元日本兵の熊谷清さんは、自らの罪と日本軍の路奪、刺突、斬首など残虐行為をどんな思いで絵画にしたのか。私たちは史実に目をそむけてはなりません。

ご希望の方は、下記メールアドレスまで、「平和への伝言第◯集を◯冊希望」と、お送り先のご住所、お名前、電話番号を明記の上、お申し込み下さい。頒価は1冊500円(送料別)。
お支払いは、お届けの際同封する郵便振替用紙にてお願いします。
送付方法は、クリックポスト、レターパック等になります。

info●asahikawa-nishi9.org(●を@に変えて送信してください)

8月11日、あさひかわ西地域九条の会は、平和への伝言出版感謝の会を開催。被爆二世でもあるシャンソン歌手・松田びとえさんの歌を聴きながら平和への思いを共有しました。語り手のみなさんに冊子を贈呈したあと、一言ずつ語っていただきました。

【2023年2月26日】「命がけで戦争に反対した人-菊池邦作の生涯-」


対談「命がけで戦争に反対した人―菊池邦作の生涯―」

日時:2023年2月26日(日)10時から12時
会場:ときわ市民ホール2階「趣味の部屋」

菊池邦作は、戦前、反戦・労農運動に取組んだために治安維持法違反の廉で拷問を受け死の淵にたたされますがなんとか生還しました。伊勢崎市で起きた「小林多喜二奪還事件」(小林多喜二らが逮捕され収監された警察署を民衆が取囲んで彼らを奪還した事件)にも関わりました。
終戦直後、GHQに治安維持法の撤廃を進言するなど同法の撤廃をめざして活動。そして、画家いわさきちひろと出会うこととなります。ちひろは、あの戦争中、「命がけで戦争に反対した人」(ちひろの言葉)がいたことを初めて知りその後の人生を大きく変えることになりました。
菊池邦作の子(弁護士・平山知子さん)と孫(あさひかわ西地域九条の会事務局長・平山沙織)のオンライン対談を実施します。事前申込制。会場参加は先着30名。