【2021年6月】菱谷良一さん100歳記念作品集・作品展のお知らせ


【「菱谷良一 百歳記念作品集」発行のお知らせ】

菱谷良一さんが、今年100歳になるのを記念して、これまで制作してきた版画・水彩画などの作品集を出版しました。ご存じの通り、菱谷さんは、戦前旭川で起きた治安維持法による弾圧事件・生活図画事件の犠牲者でもあります。

表紙は、1945年復員後すぐ「生の悦び」をぶつけた「ちぎり絵」の自画像です。よく見ると英字新聞が使われ、現代風なコラージュのようですが、この英字新聞はどこで手に入れたのか菱谷さんにお聞きしたところ、「進駐軍」からだったと思うとのことでした。作品集は、版画が「道内」「道外」「国外」と3つに分類され、また、水彩画は「静物」「風景」「旅のスケッチ(道内篇、道外篇、アジア篇、欧州篇)」となっています。版画(道内篇)では、旭川市内の古い建物が多く描かれ、旧中島遊郭、旧山岡工業スキー工場や、三浦綾子「氷点」の辻口邸のモデルになった藤田邸、日赤市場など歴史的資料ともいえる貴重で優れた作品が紹介されています。色鮮やかな静物画は思わず「美味しそう!」と言ってしまうような作品ばかりです。スケッチの方は、菱谷さんが全国や海外を旅されたときものです。旅行にいくことができない今、温かみのあるの菱谷さんの絵で旅の雰囲気を楽しむことができます。

菱谷さんに1945年8月15日の敗戦の日に何を感じましたか?とお聞きすると「これで生き延びられると思った」とおっしゃいます。「明日生きることができるのかわからない」それが戦争です。「生きる悦び」をちぎり絵で表現した菱谷さん。その絵は私たちに何をうったえかけているでしょうか。

作品集は、フルカラーでA4・117ページ。「多くの方に気軽に見ていただきたい」ということで、菱谷さんから2,000円(送料込み)でお譲りいただけることになりました。お問合せは
info●asahikawa-nishi9.org(●を@に変えて送信してください)

まで。

【菱谷良一 百歳記念作品展のお知らせ】

11月2日(火)から7日(日)まで(10時から18時)旭川市民文化会館展示室にて「菱谷良一百歳記念作品展」が開催されます。

※当初、予定していた6月8日からの会期が変更になりました。