【2020年6月28日】コロナ禍が炙り出したもの(あさひかわ西地域九条の会ニュースより)


コロナ禍が炙り出したもの

代表 齋藤 智

コロナウイルスの世界的感染拡大が続いています。感染予防の為、私たちの日常行動の制約が求められています。
この中で、私たちの細やかな日常の中に幸せがどれほど詰まっているのかを日々実感させられています。友人や仲間との語らいや食事、趣味・芸術鑑賞・スポーツ等が、何の心配もなくやれることがこんなにも貴重なものであることを実感を持って知らされました。
同時に、普段はその複雑さから見えにくくされている社会のしくみや、政治の姿が目に見える形で浮かびあがってきました。
新自由主義の利潤第一、効率第一のやり方が、いかに人々の絆や社会福祉のしくみを壊してきたかが露わになりました。ここ20数年の間に、保健所や保健師さんが減らされ、病院の合併、病床の削減、医師・看護師養成の抑制が、検査や入院・隔離がスムーズに行われないまでに進んでいたことが、事実によって見えてきました。それは、日本に限らずIMFの緊縮予算の押しつけで社会福祉のしくみが壊されたイタリアでの爆発的感染の広がりをはじめとして、新自由主義の発信元のイギリスでもはっきりと示されました。
また、独裁と大国主義が、感染症の世界的広がりを防ぐ障壁となっていることがアメリカ(トランプ)・中国(習近平)・ロシア(プーチン)の振舞いの中で明らかになると共に、国民・市民の声と小さな国々の力が良識の大きな流れになってきていることが今後ますますはっきりすることでしょう。
「禍転じて福となす」のように、私たちも希望を持って今をがんばりましょう。

【2020年6月27日】オンライン講演会「生活図画事件を語る」14:00 から 主催:三浦綾子記念文学館


オンライン講演会「生活図画事件を語る」のお知らせです。

主催:三浦綾子記念文学館
日時:2020年6月27日(土)14:00から

YouTubeにて生配信。録画でも視聴可能(会場での観覧不可)
三浦綾子記念文学館YouTubeチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCxARH-IX-fvuU01iebR5G6g

こちらにも詳しく掲載されています。
https://www.hyouten.com/gakugei/8137.html

【2020年5月3日】緊急事態条項を憲法に書き込んではいけない


5月3日は憲法記念日。
日本国憲法には、コロナ危機に対処するためのチカラが備わっています。

憲法13条は幸福追求権、25条は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を保障しています。コロナ危機で日常生活が困難になった人々にこれらの権利を保障する政治が求められます。

憲法29条3項は「私有財産は、正当な補償の下にこれを公共のために用ひることができる」とし、公権力によって特別の犠牲が生じた場合には「正当な補償」が必要とされています。この趣旨から感染症の蔓延防止のため外出自粛や休業要請などをされた場合、政策として国に補償を求められると考えることもできます。

そして、日本国憲法前文には「全世界の国民がひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利」が明記されています。戦争、病気、貧困、環境の悪化などへ対処することを求める権利が私達にはあるのです。

憲法に緊急事態条項が規定されれば、それにより政権はあらゆる法を無視することが可能になります。第2次世界大戦前、先進的だったワイマール憲法はナチスによって緊急事態条項が悪用され、人権侵害、戦争遂行が可能となりました。私たちは憲法に緊急事態条項を書き込ませてはなりません。

※写真は旭川市常磐公園のキタコブシ